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ポスト2007年、確かな客演とライブで実績を積み重ねてきた本格的シンガー、CHIYORI (チヨリ) がファースト・アルバム「CHIYORI」を発表する。周囲が殆どHip Hopクリエイターというユニークな立ち位置に居るCHIYORIは、Shing02の諸作などで知られるMary Joyレーベルからリリースされる初の女性シンガー。といっても所謂Hip Hopシンガーではなく、Hip HopやReggaeを昇華しつつも、多彩な発声法で和音階や多重録音を多用し、独創的なボーカル・スタイルを持つ希有なシンガーである。幼少期を声楽、独唱、合唱に捧げつつも、太いベースやドラムの重低音の効いた音楽に惹かれていったCHIYORIは、山口、熊本、東京と、環境を変えながら自分の音楽を模索し、地道に活動を続けてきた。

　そんな彼女はShing02の「歪曲」への参加をきっかけにMary Joyからファースト・アルバムをリリースすることが決まる。彼女は、これまでに出会い意気投合し共に作曲してきた同じ世代で同じ目線のアーティストをアルバム・プロデューサーとして起用。じっくりと時間をかけて納得の行くまで自分の曲を煮詰めてきた。それらを編み込んだアルバムがこの「CHIYORI」であり、題名には、彼女のこれまでの活動の全てが詰まっていて、これからの音楽キャリアの最初の一枚である、という思いが込められている。

　リード・トラックは、ファースト・シングルでもある「Call Me」。TempleATSのプロデューサー：Yamaanが貢献したこの曲は、CHIYORIらしさがもっとも反映されているトラック。"Night Dubbing" はDown North CampのHAKUCHUMUをフィーチャーしたダブ・トラック。ボーカルはHAKUCHUMUのヤヒコとCHIYORIのデュエット、そして尾島が図太いベースの利いたビートで貢献する。"星ノ降ル夜" は、Memory Storm、そして降神のトラックでも活躍しているTempleATSのKOR-1がプロデュース。ダンサブルでどこか懐かしくもあり未来っぽくもある曲だ。CHIYORIがMemory Stormのアルバムで歌った "Shooting Stars" と対で聞いても面白い。"悲海" では古くからの盟友、IMGがトラックを担当。

　波の音から始まり、夜の海のように人々の悲しさを情緒深く描きアルバムの流れを一変させる。"しとしと"は、Stillichimiyaのプロデュース・チーム、おみゆきCHANNELがプロデュース。雨の水滴を彷彿とさせるスキットを経て、バラード曲 "雨のキミ" と "After The Rain" が続く。Call Meと同じくTemple ATSのYamaanがプロデュースした"雨のキミ"は、AOR (Audio-Oriented Rock) の古いソウルを現代によみがえらせた曲。「これまで見てきたどんな晴れた空より、今日の降る雨が遙かに美しく見えたのは何故？」「キミが居たから」とても綺麗な歌詞が象徴的。"Sunday" はJuswannaのMUTAがプロデュース。MUTAとCHIYORIは高校からの付き合いで、熊本でも同じクルーに所属し、共に切磋琢磨してきた仲間なので、お互いの全てをぶつけ合って生まれた曲。だから "Sunday" には沢山の思いが詰まっている。pianoには歪曲クルーの盟友、Emi Meyerが参加している。


TRACK LIST :
1. Call Me (album mix)
2. 踊村
3. Night Dubbing (feat. Hakuchumu)
4. Imagine (interlude)
5. 星ノ降ル夜
6. 悲海
7. しとしと (interlude)
8. 雨のキミ
9. After the Rain
10. 涙声
11. Sunday


PROFILE :
　声楽、独唱、合唱、遊びなどに幼少期を捧げつつも、太いベースやドラムの重低音の効いた音楽に惹かれてゆく。様々なバンド経験を経て、高校時代にMUTA・DJ琥珀 (現Libra Record) らと出会い熊本へ渡りcrewを結成し活動する。彼等の作るトラックの上で、作曲に目覚め独創的でジャンルにとらわれない自由で独自なボーカルスタイルを追求し、見出してゆく。 同時に熊本を代表するREGGAEバンド、POLY RIDDIMの活動にも携わるなど、熊本の音楽シーンで大きな信頼を得てゆく。

　その後、活動の拠点を東京へ移し、様々なアーティストやトラックメイカーとの共作によりCHIYORIの世界観を広げていっている。　2008年初頭、Shing02の人源サンプリング集「歪曲」のレコーディングをきっかけにMary Joyメンバーとなり、同年Shing02の全国ツアー「歪曲巡礼」でボーカリストとしてゲスト参加した。Rising Sun Rock FestivalやLiquidroomでは、ソロで「Call Me」のパフォーマンスも全開で見せるなど、新しい環境とステージでも自分のスタイルで歌い続けている。2008年11月にファースト・シングル「Call Me」を12インチ・シングルで発表。2009年6月には満を持してファースト・アルバム「CHIYORI」を発表する。クラブ活動をこよなく愛す彼女は、IMGと共同で「TEC ROCC」というイベントを中野HEAVY SICK ZEROにて主催しているほか、様々なクラブ、ライブハウスで精力的にライブ活動を続けている。

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